税務関連

特定親族特別控除

    今回のテーマは、

    『<特定親族特別控除>

    令和8年分からは源泉徴収事務にも要注意!』です。

    令和7年度の税制改正のうち、

    給与所得控除額や基礎控除額の引上げとともに、

    「特定親族特別控除」の創設が注目を集めました。

    改正法は令和7年12月1日から施行されるため、

    給与所得者の場合、令和7年分の所得税については、

    年末調整時にはじめて反映されるケースが一般的です。

    それに対し、令和8年分以降については、

    毎月の源泉徴収事務にも影響が及ぶため、正しい理解が求められます。

    □■━━━「特定親族特別控除」をおさらい━━━■□

    令和7年分の所得税から適用される「特定親族特別控除」とは、

    大学生世代の子などがアルバイト収入の増加などによって、

    従来の扶養範囲(給与年収103万円)を超えてしまう場合でも、

    扶養者(親など)の税金計算時に所得控除を適用できる制度です。

    具体的には、下記にしたがって控除額を算定します。

    【特定扶養親族(19~22歳の子など)の合計所得金額と控除額】

    ・合計所得金額58万円超85万円以下→控除額:63万円

    ・合計所得金額85万円超90万円以下→控除額:61万円

    ・合計所得金額90万円超95万円以下→控除額:51万円

    ・合計所得金額95万円超100万円以下→控除額:41万円

    ・合計所得金額100万円超105万円以下→控除額:31万円

    ・合計所得金額105万円超110万円以下→控除額:21万円

    ・合計所得金額110万円超115万円以下→控除額:11万円

    ・合計所得金額115万円超120万円以下→控除額:6万円

    ・合計所得金額120万円超123万円以下→控除額:3万円

    □■━━━源泉徴収では、合計所得100万円以下なら扶養人数へ加算━━━■□

    令和8年1月1日以降に支払う給与からは、

    特定親族特別控除は源泉徴収事務にも反映する必要があります。

    ただし、源泉徴収税額を算定する際に用いる月額表の

    「扶養親族等の数」では、特定親族のうち、

    合計所得金額が100万円以下の場合は人数にカウントしますが、

    100万円超123万円以下の場合には人数にカウントせず、

    年末調整時に適用する流れとなります。

    同じ特定親族特別控除の対象となる子であっても、

    合計所得金額が100万円以下かどうかによって

    源泉徴収税額に差異が生じるため、注意が必要です。

    □■━━━まとめ━━━■□

    大学生世代の子などを対象とする「特定親族特別控除」が創設され、

    令和8年分からは毎月の源泉徴収事務にも反映する必要があります。

    合計所得金額が100万円以下の場合は扶養親族等の人数にカウントする一方で、

    100万円超の場合にはカウントせず、年末調整時に反映するため、

    給与計算時に誤りのないように注意しましょう。

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